太陽とともにやってくる、日本人とは!?
東横線学芸大学駅1分癒道整体ヘルメスでございます。歩くことは大切です、ということから、ヨーロッパでの森林浴、そこから思い出した留学時の話になります。
私は、かつてベルギーのルーヴァンカトリック大学、という大学で美術史を専攻しておりました。
この大学、1425年、ローマ教皇マルティヌス5世によって創立された、とっても歴史のある大学です。
卒業生には、人文主義者のエラスムス、とかあの地図のメルカトル図法をつくったメルカトルとか、歴史上の人物が多いです。
といっても、フランス語、オランダ語(フラマン語)、ドイツ語と、“国語”が複数ある複雑な国、ベルギー。
こちらの大学も、歴史あるフラマン語のルーヴェン大学と、フランス語で学ぶルーヴァン・ラ・ヌーヴ(新ルーヴァン)と、2つ並立してまして、私が学んだのは、フランス語の後者の大学でした。
こちらの大学は、かなり斬新な都市開発によって1960年代~、作られた大学都市にあります。
こちらは、ルーヴェンカトリック大学のキャンパスの一部となっているアレンバーグ城。歴史の重みのある街の佇まいとは、大きく異なりますね。
この大学都市に、定期的に訪れてらした著名日本人がいらっしゃいました!
かつてのメタボリズム、最近では、六本木の国立新美術館、アムステルダムのゴッホ美術館など、数多く手がけられた
著名建築家、黒川紀章氏です。使える画像がなく、こちらかなり古いもの。岡本太郎氏の右後方で微笑んでらっしゃるのが、黒川紀章さんですね。
ルーヴァン・ラ・ヌーヴにある小さな美術館の新しい建築を打診されてらしたそうで、時折、ご夫妻でお見えになられてました。
日本人留学生が極端に少なかったので、またこの美術館の館長をしてらしたのが、私の担当教授だったご縁もあり、1度、打ち合わせにご一緒させていただきました。
といっても、私は奥さま、若尾文子さんのアテンド、お相手をするように、と言われてました。
あちらの方はよくご存知なかったので、
「若尾さんは、日本のカトリーヌ・ドヌーヴです!!」と盛り上げておきました^^
さて、黒川ご夫妻がお見えになるという日、一同、ルーヴァン・ラ・ヌーヴの美術館でお待ちしておりました。お迎えの車を空港に行かせる、のではなく、美術館でひたすら待ってました。
ベルギー、って現在はよく知りませんが、当時は、EUの中心とはいえ、国家予算に乏しく、電車の遅延は当たり前、それ以前にインフラの整備も、日本に比較するとかなり貧弱な状態でした。
そんな中、ブリュッセルから、電車2本乗り換え(乗り継ぎが異様に悪い!)て、あの黒川夫妻がやってくるのを、今か今かと待ってました。ベルギーでは、何もかも時間通りには運びません。
相変わらずの曇り空、ぽつぽつ小雨が降ってました。そこである美術館スタッフが、
「クロカワは、いつも太陽とともに、やってくる!」と話しだしました。
フランス語圏のインテリといえば、当時はデカルト主義が当然、という風潮でしたから、こんな日本人みたいな発想の人がいるとは!と、かなりインパクトありました。
“日出ずる国、ニッポン”のイメージがあるのでしょうか。黒川氏が、かなり神格化されてたのでしょうね。
そうして、結局、小雨の中を、大変小柄な黒川ご夫妻がお見えになられました!
小柄でらっしゃいましたが、さすがですね、黒川紀章氏は、圧倒的な存在感で堂々とされてらっしゃいました。
若尾文子さんは、女優さんではなく、100%夫を支える妻でらして、ヨーロッパでのお仕事の大変さ、旅行には、シャネルやソニアリキエルの服がいい、といったお話など、気さくにお話くださるすてきな方でした。
結局のところ、こちらの美術館プロジェクトは日の目を見ることは、ありませんでした。多分、予算の問題でしょう。
とはいえ、果敢に世界で勝負する日本人、そうして半ば神格化される日本人って素晴らしいですね。
黒川紀章さんのご冥福をお祈りいたします。
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