恐山、死者との邂逅

恐山へ翌日参りました。

恐山といえば、イタコが死者と対話させてくれるとか、おどろおどろしいイメージありますが、現在イタコさんは一人のみ。

しかも予約はできない、いつ来るかもわからないとか。

862年、円仁上人が開山したとされる、日本三大霊場のひとつ(他は、比叡山、高野山)が恐山です。

 

山門

 

周囲は硫黄の匂いがたちこめます。宇曽利山湖というカルデラ湖の周囲にひろがる岩場です。

 

自覚大師堂

 

こちらが本堂。真っ青の空とのコントラストが美しい。

縄文時代の遺跡に見られる土偶・・・多分、死者を形にしたものだろう、と。

近親相姦による蛭子(ひるこ・古事記にも兄妹イザナミイザナギの最初の子どもが蛭子だったと書かれています)を形象化して悼んだもの、というのが田中先生の斬新なお考え。

なるほど、南米にみられる土偶も類似の形態ですね。

文化人類学的にも、レヴィ・ストロースによると近親相姦が忌避されるのが、文明の分岐点だとか。

 

(三内丸山遺跡で発掘された土偶)

 

また縄文遺跡では、住居の近くにお墓をつくることが多く見られ、今よりも死者との関係性がずっと深かったようです。

土偶も、竪穴住居から発掘されるそうです。竪穴住居に大切に祀られていたのでしょうか。

宗教とは、死者から生まれるそうです。今は亡き死者を観念的におもうことから、宗教が生まれ、そして宗教から優れた芸術が生まれるのだそうです。

初めて田中先生から学びました。

運慶は法相宗の仏師(各国に仏教あれど、仏師の存在は日本のみ)ですし、ミケランジェロもダヴィンチも。

それで、西洋では宗教をテーマとしない浮世絵など日本美術に驚愕して、自然を描くジャポニズムの流れが生まれたのですね。

でも実は、富嶽三十六景は富士信仰がベースなのに、西洋人はそれを解さず形だけ取り入れた、とのことです。

それでエッフェル塔がつくられたって、すごいですね!(”エッフェル塔三十六景”を描いたパリの画家も)

 

全く固定観念にとらわれず、真実の日本の歴史をわたしたちに解き明かしてくださる田中先生と。

 

 

 

 

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