あれは、運慶の作品か!?

和歌山から帰京した翌朝、目覚めたら

 

この”空海”像がまぶたに浮かびました。そして涙がひとすじ。

あぁそうだ、私、あの像を拝顔したとき、そんな涙がこみあげる衝動がそういえばあったんだ、と思い出しました。

それと同時に、直感しました、

”あれは運慶だ!”

とっさに、ほかの運慶(13世紀平安時代末から鎌倉時代にかけて活躍した彫刻家)作品、とりわけ八大童子、

(いずれも運慶作、左が『恵喜童子(えきどうじ)』、右が『恵光童子』、『運慶とバロックの巨匠たち』田中英道著、弓立社より)

 

またこちらの同じく運慶作『制多迦童子(せいたかどうじ)』(『日本の美仏50選』田中英道著、育鵬社より)たちのお顔がつぎつぎと脳裏に浮かび、

”空海”像との頬まわりの造作が同じだ、と直感しました。

 

やっぱり運慶だったんだ、と。まぁ私などが勝手に思ったところで、何も変わらないのですが^^

 

こちらの”空海”像、実は作家がわかっていません。

日本では、芸術作品とりわけ仏像はあるものの、それに芸術家という個人を結びつける作業がなされてこなかったそうです。

工房作、という形で作家(仏師といいます)個人にスポットをあてて考えられてこなかったようです。

そこを切り開いてらっしゃるのが、田中英道先生です。

 

西洋美術のモレリアンメソッドなどを使い、細部の特徴などから、文献の存在しない作品(仏像仏画肖像画絵巻物など)の

作家を特定して、日本美術の流れを読み解いてらっしゃいます。

そういう田中先生の鋭い視点で、あの”空海”像は運慶によるものだと論じてらっしゃいます。

 

私は、ヨーロッパの美術館はあちこち巡ったものの、ナマの運慶作品を観せていただくのは今回初めてなので、わかるはずがないと思ってました。

ですが、そんな私なりの確信がもてて良かったです。

 

仏像・・・そもそも仏教もよく知らないのに、鑑賞しようなんて考えたこともありませんでした、田中先生のご著書に触れる以前は。

ですが、ミケランジェロより200年も前に、日本には素晴らしい芸術家が運慶以外にもたくさん存在したのです。

もっともっと日本の芸術作品を、気軽に鑑賞できる機会が増えるといいですね。

またススまみれの仏像の修復など、文化庁は速やかにすすめるべきだと思います。

それにしても、日本人に生まれて仏教美術を解さないのは、かなり勿体ないように感じます。

 

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